今週連続して、リアスプロケットの固定に問題があるバイクをお預かりしました。
しかも、それら全てがお客様自身はご認識されておらず、当店で別件での整備中に発見されました。
いずれも、お客様ご自身で作業したとのことでしたので、ご注意いただきたいと思い、この記事を書いています。
リアスプロケットの着脱は、作業内容としては難易度は低いものの、問題が発生すると落車を伴う事故に直結するため、確実な作業が求められます。
作業でミスを犯しやすいポイントは2つ。
1つめは、ギア板の向きを間違えないこと。
各社のスプロケットとフリーボディは、向きを間違えないように突起が施されています。
このため、向きを間違えようがないと思われがちですが、一番小さいトップのギア板は、その突起への掛りが浅いため、違った向きに装着してもパッと見には判りにくくなっています。
トップのギア板を装着するときは、裏の突起の位置をよく見て、正しい向きに着けてください。
着けたあと、ロックリングなしで軽く左右に回すようにして、動かなければOK。もし簡単に動くようなら、向きを疑ってください。
もう一つは、ロックリングの確実な固定。
きちんとねじ込んでいただき、40Nmのトルクで固定していただければOKなのですが、無理やり斜めにねじ込んでネジ山をなめてしまったり、正しくねじ込んでいても固定トルクが不足して緩んでしまったりすることがあります。
きちんとねじ込むためには、ねじ込み始めは手で作業してください。
手でねじ込めないようだと、ロックリングがフリーのねじ山を正しくキャッチできていません。ある程度までロックリングが入ってから専用工具を使い、規定トルクで締め付けます。
整備作業は楽しいものですが、それも基本を守ってこそ。
正しい整備で、安全なライドをお楽しみください。
そして、整備ついて、もっと知りたい方は、ぜひこの本を読んでください。
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北浦和店店頭にございます。