こんにちはふじみ野店北川です。
最近、「ホントにディスクブレーキ多くなったねー」とお客様から言われることが多くなりました。
確かにそう思いますし、僕らとしては在庫するバイクのバランスを意図的にそちらへ傾けてきました。
過渡期というのは、ウソもホントもいろんなことを言う人がいます(笑。
でも私はディスクブレーキがロードバイクにつくことになんの抵抗もなく、むしろ新しいものウェルカムな人間なので、波や流れにはまず乗っかって見るタイプです。
いまやTiagraまでラインアップされるほどの油圧ディスクブレーキ。
油圧のシステムのベースがもともと高いのでかつてのリムブレーキのようなグレード間の制動力の差は感じにくくなています。
(もちろん差はありますが、リムブレーキの社外ブレーキ<Tiagra<105みたいな程の差は感じにくいと思います。)
ブレーキキャリパーもSTIとの互換性の問題があり、いわゆる社外ブレーキを使って完成車コストを落とすということができなくなってきています。
そうなるとその矛先が向かうところはブレーキローターとなるわけです。
店内の105完成車のブレーキローターを撮ってみました。
まず1枚め見づらいですが「SM-RT70-S」と書いてあります。
105グレードのローターであることを表し、「S」は160mm径であることを示します。
そしてローターには「ICE TECHNOLOGY」と書いてあります。
一方こちらのバイク。かなり見づらいのですが「SM-RT54-S」とあります。
SM-RT54はTiagragグレードのSM-RT64のひとつ下です。
ちなみに、上記SM-RT70が小売価格で¥2,678-に対しSM-RT54は¥1,166-と倍近い価格差があります。
ではこれらの違いが制動力にどのような影響を起こすのでしょうか。
この2点について言えば「ICE TECHNOLOGY」が使われているかどうかになると思います。
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端的に言うと
放熱効果の高いローターを使うことにより安定的なブレーキを提供する
ということです。
ブレーキの大敵は制動時の熱。
これをうまく逃してやれないとブレーキフェードという状態が起こり制動力が著しく低下します。
どうやって放熱効果を高めているかというとローターのその構造です。
ご覧のように1枚の金属の円盤と見えるローターも実はこんな凝った作りになっているのです。
オーディオやPCの放熱板(ヒートシンク)をご想像いただけるとわかるようにアルミはとても熱伝導性がいいのでステンレス単体よりも放熱効果が上がる。
ただアルミだけだと耐摩耗性に乏しいのでステンレスでサンドしてバランスをとっているのです。
SM-RT70以上のローター、つまりは105以上のローターはこのICE TECHNOLOGYを採用しています。
一方でSM-RT54は?というと、ご想像どおりただの鉄板です(笑。
ただローターにもパンチングしてあり表面積を増やし少しでも放熱効果を高めようとしている努力は見れます。
ICE-TECHのローターと非ICE-TECHのローターの性能の違いは上記の写真のとおりです。
これを見たらICE TECHNOLOGY以外のローターは使えなくなってしまいますね!
ちなみに…
じゃぁアルテグラは?というとこんな感じです!
上記の2つとはだいぶ様子の違うデラックス感が出ています!!
それもそのはず、アルテグラとデュラエースはICE-TECHのさらに上位バージョン「FREEZA」という技術を使っています。
「私の戦闘力は53万です」のアレではありません
アルミをステンレスでサンドしたICE TECHNOLOGYはもちろんなのですが外周の制動部分とは別に内側にアルミのフィンを伸ばし、ここに風を当てることで温度を下げるというものです。
熱発散させる表面積を拡げることでローター温度を更に50℃下げることに成功。
これにより制動力・耐ブレーキフェード性能が20%向上し、パッドの耐久性も20%向上とのことです。
同じように見えるし、ただの鉄板のようにしか見えない(笑、ブレーキローターもとても重要な役割を担っており、そこに高い技術が投入されているのです!
もしご自身のバイクのブレーキローターがプアなものだったらグレード上げることでブレーキフィーリングが良くなったり長い下り坂でも余裕ができるかもしれません。
お店に展示しているバイクもそんなポイントを気にしながら見てみるのも面白いかもしれません。